世界初の自動巻きクロノグラフ④ | BLOG | COMMON TIME by CHARMY
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世界初の自動巻きクロノグラフ④

2009.11.23

皆さん、こんばんは。

さてさて、ブライトリング&ホイヤー連合の

発表したクロノグラフのムーブメントが、

どこか変だぞって話の続きです。

(読んでいない方は、

→世界初の自動巻きクロノグラフ①

からお読みください。)

この↓ムーブメント(キャリバー11)

なのですが・・・

ウォッチホリックおやじのブログ

そうです。

自動巻きに見えませんね。

いわゆる自動巻きの特徴である

巻き上げの為のローターがない

ではないですか!!!

そう、このムーブメントは、マイクロローター

といって、小さいローターがムーブメント

の中に組み込まれているタイプなんですね。

当然、ローターが小さいために、

巻き上げ効率があまり良くないという

のが、弱点です。

その一方、ムーブメントを薄く作ることが

出来るという、メリットも有るのですが・・・

何よりも、当時は手巻きのクロノグラフ用

ムーブメントにローターを組み込む設計の

開発をするよりも、既に開発済みのマイクロ

ローター付きの3針用のムーブメントに

クロノグラフのモジュールを載せるほうが、

開発費用が少なくて済んだという方が、

解り易いかもしれませんね。

今では、パテックなどのごく一部の

超高級ブランドでしか、実現できなく

なってしまったマイクロローター・・・・

実際問題、庶民にとっては、

「マイクロローター」という言葉には、

憧れの響きさえ感じ得ますね。(笑)

その理由は、巻き上げ効率を上げるた

めに、ローターには比重の高い素材を

使わなければならないっていうことに

尽きます。

つまり、ローターを純度の非常に高い

金(20金や22金など)で作るって事です。

我々庶民からすると、そんな贅沢な話しは、

聞いただけで、お腹が痛くなりますね。(笑)

(↑この辺の話しは、クロノスの記事とは

あまり、関係ないです)

そんな訳で、ゼニスの発表したセンター

ローターの一体型の自動巻きクロノグラフ

の方が、後々までムーブメントとしては、

評価されていくんですね。

↓↓↓

ウォッチホリックおやじのブログ

(↑この大きな扇型の部分が、巻き上げの

ためのローターです)

さてさて、それではゼニスのエルプリメロは、

いつ発表されたのでしょうか???

気になりますね。

実は、ブライトリング&ホイヤー連合が

1969年の3月3日に発表したキャリバー11

よりも前になるんですよ~!!!!

うぉ~!!!

ゼニスファンは、喜んでくださいね!!!

3ヶ月ほど早い、1969年の1月10日

に発表されたようです。

ブライトリングやホイヤーの開発の噂は、

量産化計画の為の外注のパーツやケースの

発注段階で広まっていたようです。

このときの業界に与えたインパクトは

相当大きかったと想像できますね。

そして、多分噂を聞きつけたゼニスが、

何としても、バーゼルフェアの前に発表し

なければと考えたのではないでしょうか?

(勝手な私見です)

実際、このゼニスの発表にあせった

チームブライトリング(笑)は、バーゼルフェア

での発表を前倒しして3月にずらした

ようですからね。

かくして、ゼニスは発表というレベルでは

世界初になったわけです。

というか、開発のスタートがどこが

先だったか?という議論はあまり意味が

ないので、ゼニスこそが世界初の自動巻き

クロノグラフを開発したということで、

結論づけていいのでしょうね。

実際、ギズベルト・L・ブルーナー氏も、

そう結論づけているようです。

しかし、ブライトリング&ホイヤーグループ

の方が世界初の自動巻きクロノグラフを開発

したというイメージが強いのは、

何故でしょう???

多分、それは当時の額で、50万スイスフラン

という莫大な費用をかけたプロジェクト

であり、参加企業数が多く、派手な宣伝活動を

したことにもあるんでしょうね。

更に言うと、40年代からホイヤーがこの構想を

描いていたということも、大きかったかも

しれません。

さてさて、話しは日本の誇りでもある

SEIKOへと続いていくのですが・・・

つづく

※記事をもとに、私見や記事内にない

内容などを混ぜて簡単にまとめて書いて

いますので、正式な内容をお知りに

なりたい方は、クロノスをお読みください。