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ゼニス エル・プリメロの奇跡

2010.03.25

皆さん、こんばんは。

さて、かつてゼニスにいたシャルル・ベルモ氏を

御存知の方は、どれくらいいるのでしょうか???

知っていると言う方は、

かなりの時計通ですね。

1969年に日本のセイコー社がクォーツ時計

を発売したことによって、1970年代は、

機械式時計ブランドにとっての、不遇の時代が

始まります。

皮肉なことに、ゼニスのエル・プリメロが

発売されたのも、まさにSEIKOショックの

真っ只中の1969年のことなのです。

このクォーツ時計に対抗しようとして、スイスの

機械式ブランドの多くが、デザインでの差別化を

計ろうとしたことによって、70年代のスイス時計には、

少し独特の雰囲気の時計が多くなって

いるというのは、時計好きには知られていることですね。

そして、恐ろしい事件が起こります。

1975年。

この時代、実はゼニス社も大打撃を受け、

この年にスイス資本から、アメリカの資本に

変わってしまうのです。

そんなことがあったのを、

ご存知だったでしょうか????

この新しいアメリカのオーナーが、

機械式時計好きで・・・・・

と言う話ならなんと言うこともないのですが、

実は、まったくそうではなかったのですね。

そして、悲劇は起こります。

新しいオーナーは、ゼニスをクォーツ時計の

ブランドに変えようと試みます。

そして、エル・プリメロを含めた

全ての機械式時計の設計図や金型の

破棄を工場に命じたのです。

しかし、このときシャルル・ベルモ氏が、

設計図や金型を工場の屋根裏に

隠したのですね。

後に、この金型からエル・プリメロが

復活することを考えると、

感慨深いものがあります。

この一人の機械式時計を愛する男の

存在が、36000振動のエルプリメロと言う

最高の名機を現在に蘇らせたといっても

過言ではない訳です。

そんな、彼の偉業をたたえて、

ゼニスは、今年「シャルル・ベルモ限定」

を発表しました。

それは・・・・・

つづく(笑)

→世界初の自動巻きクロノグラフについての

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