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バーゼル&ジュネーブ 今年のトレンド

2006.04.16

皆さん、こんにちは。

さて、各ブランドの新作紹介もまだまだ

続きますが、何せ、写真と情報を整理しないと

アップできないので、もう少しだけ、

お待ちください。

雑誌の特集が色々と

出る前には、何とか間に合わせたいと思います。

実は、バーゼル&ジュネーブで各ブランドから

頂いたカタログを全てのブランド分持って

帰ってくるのは、不可能なのです。

毎日会場にトランクケースを

持っていくくらい重いのです・・・・

その山のようなカタログをジュネーブから

郵送しているので、到着するまで、

ブランドによっては、進まないわけです。

しかも飛行機便だと高いので、エコノミーで

送っているというおまけ付です。

そんな訳で、もう少しお待ちください。

以上、言い訳でした。

そこで今回は、今年のバーゼルジュネーブの

トレンドを少しお話させていただきます。

数年前に起きたトゥールビヨンブーム

から始まった、驚愕の超複雑ムーブメントの

ような流れは、少し落ち着いたように見えます。

その代わり新素材や耐久性を意識した

ムーブメント、また新素材のケースが

増えています。

ケースの流れで、今年のトレンドと感じたのは、

ブラックケースです。

IWCのドッペルクロノやゼニスのオープンなどで

みられました。

また、金のケースでは、イエローゴールドよりも

ピンクゴールドのケースもが増えている

印象をもちました。

今年は、ムーブメントよりもデザインでの

チャレンジが各社多かったのも特徴の一つです。

今までは、伝統的なクラッシックなイメージのブランドが

大胆なデザインを提案していたり、

また、ここ数年デザインでチャレンジをしていたブランドが、

急にクラッシックなスタイルを提案してきたりと、様々です。

何れにせよ、ブランドの持つイメージを変えるような、

デザインチェンジが多かったような気がします。

私、個人的には、クラッシックなスタイルが、

長く使える時計の条件だと思っているので、

ボーム&メルシエやモーリス・ラクロア等の

クラッシック回帰なデザインには、凄く好感を持ちました。

特に、ボーム&メルシエには、かなりな

良い感じのデザインが、増えていますので、

ブランドレポートも楽しみにしていて下さい。

上がボーム&メルシエで、下がモーリス・ラクロアです。

なかなかグッドですね。

また、ムーブメントでは、複雑なものの開発ではなく、

自社開発のムーブメントや自社パーツ比率を

高めるようなムーブメントが増えてきているのも

特徴かも知れません。

この問題は、時計業界全体のグループ化の影響です。

ムーブメントメーカーや、パーツメーカー、

ケースメーカーから針や文字盤、ヒゲゼンマイの

メーカーに至るまで、グループ化の流れに

巻き込まれ、パーツの流通もグループ化していくのでは?

という危機感が、影響しているようですね。

私、個人的には必要以上の完全自社開発の

ムーブや自社パーツの比率を高める方向には、

反対なのですが・・・・

自社で作るなら、他と差別化のできるような、

こだわりのムーブメントでないと、意味がないと

思っていますし、ただ、同じようなムーブメントを

作って、自社開発ですから、価格が高くなりました

っていうのでは、寂しいですよね。

で、モーリス・ラクロアのこの自社開発

ムーブメントは、かなり、がんばっています。

スワンネックやチラネジを使い、大型のテンプで

ロービートにして有ります。

高性能ムーブというより、

クラッシックな手間のかかるムーブメントです。

メンテナンスなども、職人の腕が試されてしまうような

ムーブメントですので、ある意味こちらも原点回帰です。

本来機械式時計の面白さってこういうところだったのだ

ということを、ちょっと思い出しました。

シースルーバックからも見えるように、

ムーブメント自体が、かなり美しいのも、

このタイプのムーブメントの特徴ですね。

最近の時計には、こういった美しさも一部の

高級ブランドを除いてあまりなくなっていますので、

かなり好感持てます。

ただ、作れる個数にも限界があり限定での

発表との事です。

会場の様子は、ここ数年でアジア(特に中国、インド)

のバイヤーが急増しているのが特徴でしたが、

今年はインドのバイヤーが少し

減っていたような、印象を持ちました。(事実はわかりませんが)

ただ、ロシアのバイイングパワーが圧倒的に強くなってきている

という噂を色々なブランドから聞きました。

1000万級の超複雑時計の限定を全てロシアに

押さえられてしまったというブランドもありました。

BRICSの影響は、こんなところにも現れているようです。

ブランド内容の詳しくは、それぞれの

ブランドレポートでまたやりますね。