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ロング・リザーブ対決①

2006.06.25

皆さん、こんばんは。

さて、少し前にIWCとジャガー・ルクルトの耐衝撃性

について、お話した事がありましたね。

そのときに、IWCとジャガー・ルクルトの時計に

対する考え方は似ているところがあるが、

その解決策が、まったく違うので面白い!という

ようなことをお話したと思います。

さあ、そこで今回は、IWC VS ジャガー・ルクルト

第2弾としてロング・リザーブ(※1)対決を

してみたいと思います。

(※1)ロング・リザーブ=

機械式時計は、ゼンマイを巻きあげて、

動力源にしているのは、ご存知だと思います。

ゼンマイを一杯に巻き上げた時に、どれくらいの

日数分巻き上げられるかが、各社の腕の見せ所と

なっています。

通常は、2日間(50時間)前後のリザーブですので、

それより長いものをロング・リザーブと呼んでいます。

まず、両社とも1週間以上のロングリザーブの必要性を

大きく感じていたという点で共通しています。

何本か腕時計を所有している方にとっては、確かに

1週間ぜんまいがもつというのは、すっごく嬉しい

機能なのですよね。

そこでジャガー・ルクルトは8日巻き(8days)の時計を

出したわけです。(2年前のことですが。)

しかし、この長持ちゼンマイには、色々な問題があります。

まず、ゼンマイの特徴としてロングリザーブになればなるほど、

ゼンマイが長くなければならないのは、何となく想像

出来きると思います。

そして、このながーーーいゼンマイを使った場合には、

実はゼンマイの巻き戻りの最後の部分の精度が、

極端に悪くなってしまうというおまけがついてきます。

そして、IWCもジャガー・ルクルトも実に上手くこの

ことを解決しています。

ジャガー・ルクルトの8デイズでは、まず長い大きな

ゼンマイを使わずに、小さなぜんまいを2つ使うという

方法を取りました。

これによって、最後の精度を上手く得ているのですね。

素晴らしい!!!!。

(ゼンマイが二つあるものをツイン・バレルと呼びます)

しかも、精度を得る為にロングリザーブでは珍しく、

ハイビート(8振動)を実現しています。

(ゼンマイのパワーが相当ないと実現できません。)

8days

このツインバレル+ハイビートの8デイズの

代表格である、グランド・デイトがこの写真のモデルです。

発売当時、左下にあるビッグサイズデイト(※2)のディスクは、

中でどうやって回ってるのだ!という話題にもなりました。

(カタログを見れば、答えがわかります)

(※2)ビックサイズデイト=

日付表示が、一の位と十の位を別々の窓で表示します。

通常、角型の時計の場合12時位置や6時位置などの

場所にあるのですが、この様に角に在るものは、

珍しいのです。どうやってディスクが回っているのか?

想像するのも、楽しみの一つです。

8days裏

ひっくり返すとムーブメントが見えるのも、レベルソの

楽しみの一つですね。

しかも高級時計のお約束である、きれいに仕上げられた

4分の3プレートやブルースチールのネジなどを

鑑賞することが出来ます。

さて、話が少し脱線しましたが、この巻き戻りの、

最後の部分の精度を得る方法は、

何もツインバレルに限ったわけではありません。

そこでIWCは、もっと大胆な方法を取っています。

さて、どんな方法でしょうか?

それは、次回へのお楽しみです。

え?うそでしょ?って本当です。(笑)

→ロングリザーブ対決 その2