※大統領の腕時計①
を先にお読みください。
みなさん、こんばんは。
さて、今日は昨日の続きをやります。
その昔、「レビュー・トーメン」というブランドに、
クリケットという名前のアラームウォッチが存在し、
しかも「大統領の腕時計」と詠っていたという、
話をしました。
今日は、その謎に迫ります。
実は、1961年、くしくもこの↑クリケットノーティティカル
が発表されたその年に、ヴァルカンはスイスの時計
メーカーのグループであるMSRに参加します。
後にこのことが、ヴァルカンにとっての
悲劇になるのですが・・・
このグループのなかに、先ほど述べた「レビュー・トーメン」
というブランドがあったのですが、1986年何故かMSR
は、このヴァルカンのムーブメントをレビュー・トーメン
ブランドで売り出します。
今でたとえるならば、LVMHがゼニスの
ムーブメントで、ホイヤーを売り出すのに似ていますが、
問題は当のヴァルカンをムーブメント会社と
位置づけてしまい、ヴァルカンの名前のついた時計の
販売を辞めてしまったことです。
なるほど、聞いたことがなくても当然といえば当然
なのですが、ヴァルカンにっては無念だったかも
しれませんね。
その後、2000年にヴァルカンは、MSRを離脱し、
2002年に再度ヴァルカンの名前で、クリケットを
生産するに至ります。
そんなわけで、ヴァルカンの名前は、16年間
もの間、表舞台には出てこなかったというのが、
実態なのです。
この歴史を振り返ると、今流行の復刻ブランドとは
訳が違うことが、良く分りまね。
名前は、一度消えていますが、ムーブメントを
作り続けていたことを考えると、伝統的な
マニュファクチュールとなんら変わらないのです。
しかも、この完全自社ムーブメントの伝統ブランドが、
非情に良心的な値段で買えるということは、
時計マニアにとっては、とても幸せなことでは
ないでしょうか。
それこそ、15年位前のゼニスを崇拝する向きには、
もってこいのブランドだと思うのですが・・・・
さて、次回は、このヴァルカンのムーブメントが、
どれだけすばらしいかの話をしたいと
思います。
つづく
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