お読みください。
皆さんこんばんは。
さて、長らくお待たせしてしまっていますが、
いよいよ、ジャガー・ルクルトの片方巻き上げ
の謎に迫りたいと思います。
まず、最初に何故片方巻き上げにしたか、
と言う前に、このオートトラクターの
ムーブメントの特徴について、
少しお話したいと思います。
前からお話している通り、一般的には
両方巻き上げのローターの方が、効率が
良さそうなものですよね。
通常のオートワインダーにIWCのぺラトンと
このジャガーの新型片方巻き上げの
ムーブメントの両方を設置して、作動させます。
そして、どちらが効率的に巻き上げるかを
チェックすると、驚くことが分ります。
何と、大方の予想を覆して、IWCのぺラトンの
巻き上げ効率のほうが、優秀だということが
判ります。(笑)
え?どういうこと????
ここまで引っ張っておいて、両方向巻上げの方が、
良いなんて、当たり前の答えを言われても、
困りますよね?
ところが、ここまでは事実です。
しかし、ジャガー・ルクルトが考えたのは、
ワインディングマシーンに装着した状態ではなく、
手につけている状態での、巻き上げ
効率なのです。
なるほど・・・・面白くなりそうですね。
考えてみれば、ワインディングマシーンのように
一定に手を動かす人は、世の中には
まずいませんよね。(笑)
そして、手の動き(ほんのちょっとした動き)に
対して、効率よくゼンマイを巻き上げる方法を
考えたわけです。
この結果、ジャガーの調査では、何度やっても、
この片方巻き上げの方が、両方向巻上げより
効率が良いことが判明したのです。
ジャガー・ルクルト恐るべし!!!
でも、いったいこのムーブメントの何処に
そんな秘密が隠されているのでしょうか?
実は、両方向巻上げよりも、片方向巻き上げ
の方が、ローターを動かす為のパーツの数が
少なくなり、ローターにかかる負荷を減らすことが
出来るのです。
その結果、少しの手の動きでもローターがクルクル
周るのですね。
実際、このムーブメントのモデルをつけていると、
そのことがよくわかります。
ほんのちょっと手を動かすと、ローターがシャーっと
周る音が聞こえてくるのですから・・・・・
うーーーん、ますますジャガー・ルクルト
恐るべし!
そして上の写真を見ると分るように、ローターの
外側だけ22金を使っています。
これは、Gを得やすくする為の工夫なのですね。
ジャガーのその他のオートトラクターのムーブメント
をつんだモデルは、他にもこんな者たちがいます。
マスター・コントロールや・・・・
レベルソ・グランド・オートマチックなど・・・
そうです、角型にもこの考え方が、
移植されました。
しかも、当然角型のムーブメントでです。
角型のムーブメントで自動巻きって言うのも、
珍しいのですが、この方巻きあってこそです。
さて、こうやって見ると、巻き上げ効率は、
ぺラトンとオートトラクターのどっちが良いのやら・・・
となりますよね。
それは使い方によって違いがでますので、
ライフスタイルによっても、選び方が違ってくる
と思います。
そして、このことが意外なところで困ったこと
を引き起こします。
次回は、その辺のお話をしたいと思います。
って、また引き伸ばし作戦かよ!(笑)