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横浜と船舶時計②

2008.05.31

皆さん、こんばんは。

さてさて、少し前に宇津木計器さんについて

のお話しをさせていただきましたが、

覚えているでしょうか????

覚えていないという方はこちらへ

↓↓↓

※過去ブログ→横浜と船舶時計①へ

今日は、そこで出会った船舶時計達

について少しお話したいと思います。

その前に、「船舶時計って何???」って

いう方も、多いかもしれませんね。

それではまず船舶時計について簡単に

お話しします。

船舶時計とは、文字通り船の操縦席に

置いてある時計のことを言います。(笑)

クォーツ時計やコンピューターのない

時代には、機械式船舶時計には、かなりの

精度が求まられたことは、

なんとなく想像できると思います。

イギリスの大航海時代に、船舶事故が

多発した事を期に、正確に船の位置を知る

方法を見い出すことが急務となりました。

それに伴い、必然的に正確に動く機械式

船舶時計の開発も急務となったわけです。

そして、より正確に時を刻む為の工夫から、

姿勢差の影響を受けにくいように、下の写真

のように、特別な箱に入っているのが、

当時の船舶時計の特徴になっていたのです。


この箱の中で、時計は常に水平になるように、

リングの中で前後座右に動く仕組みになって

いるのですよ。

(トゥールビヨンの姿勢差の理論に似ています。)

そんな機械式船舶時計の中でも、

特に信頼が厚かったのが、ユリス・ナルダン社

だったのは、結構有名な話です。

宇津木計器さんに残っているものの多くが、

ユリスナルダン社の物だというのも、

当時の信頼の高さの証明になるかもしれませんね。

とっても、興味深いですね。

当然、この↑上の写真の時計も、

ユリス・ナルダン のものです。

そして、興味深いのは、箱についている

このシール↓です。

このシールには、宇津木計器さんの名前が

入ってるのですね。どうやら修理を終了した

ものには、このシールを貼って戻していたようです。

そして、さらに興味深いのは、この↓

証明書のようなものです。

これは、納品時にユリス・ナルダンが、

一つ一つの時計に対してつけている精度

証明書のようなもののようです。

何と、この個体の姿勢ごとの精度が

個体番号とともに、記載されているでは

ないですか!!!!

凄すぎます。

どうやら、4姿勢で精度テストをしていた

ようですが、船舶時計の姿勢を考えると

4姿勢での精度チェックで充分過ぎるほど

充分でであったということも想像ができます。

そして、シリアル番号(個体番号)がきちんと

時計の文字盤にも入っているのにも、

ちょっと感動です。 ↓

どうですか?????

赤い字で、9486と書いてありますが、

これが、この時計の個体番号なのです。

この上の時計は、1970年代頃のもので、

比較的綺麗な状態で残っていますが・・・・

こちら↓は、1950年代のユリスナルダン社

のものです。

うん、うん。

ぐっと、雰囲気出てきますね~。(笑)

いや、歴史を感じますね。

世界中の匂いがが染み付いている感じです。

でも、こっちの↓は更に凄い!!!!

何と!!!!

1930年代のユリス・ナルダン社の船舶時計

だというではないですか~!!!!!

いやいや、本当にわがまま言って、見せて

頂いて良かったです。

改めて、宇津木さん、

わがままに付き合っていただき、

本当に有難うございました。

→ナルダン マリンクロノメーター
へつづく

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