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時計のステンレス①(316L)

2009.06.09

皆さん、こんばんは。

さて、今日はステンレスの話を少々・・・

時計の素材には、金やプラチナ以外の

ものの多くは、ステンレススチール

が使われているというのは、今更

言うまでもないですね。

しかし、一口でステンレススチール(SS)

といっても、その種類は1000位存在

するのだそうです。

SS(ステンレススチール)の一番の特徴は、

錆びにくいということなのですが、

その種類によって、錆びにくさや、

丈夫さが変わってくるというのが、

本当のところのようです。

今日は、そんなステンレスの種類に

ついて、少しお話ししますね。

まず、基本的なことなのですが、

鉄にクロムを混ぜることで、錆が起こり

にくくなり、もっともコストの

かからないステンレスが出来上がります。

これに、ニッケルを加えることで、

海水や硫酸などでも腐食しにくいもの

になり、粘り気が出て破壊されにくい

ものになるのですね。

それだけでなく、更に磁気にも

強くなるというから、ニッケルを混ぜる

って言うのは、素晴らしいことなのですね。

ちょっと、マニアックな話で、面倒くさい

という方・・・・・

この後は、もっと面倒くさいですので、

ご注意ください。(笑)

さて、このニッケルが入ったSSで、最も

ポピュラーなものが、「304」と呼ばれて

いて、水を多用するシステムキッチン

のシンクや厨房素材として良く使われて

いるものです。

ちなみに、304は、鉄が約73%、

クロムが18%、ニッケルが8%、

炭素が、0.06%という含有物質の

構成になっています。

これが、学生時代の授業だったら、

私は、この辺で間違いなく爆睡して

います。(笑)

それでは、もう少しマニアックなSSの

話を進めて行きたいと思います。

今まで、お話した304にモリブデンという

物質を加えると更に、錆がおきにくい

鋼材の316なります。

お!!!!!

時計好きなかたは、ちょっと反応しましたね。

そうなのですね。

お馴染のSSまで、あともう一歩です。(笑)

それでは、続けます。

この316だけでも、充分凄いのですが、

更に、溶接を行った周辺などで起こる

局部的な腐食にも強くするために、

炭素の比率を0.03%に抑えたものが、

316Lというスーパー素材なのですね。

おーーーーーー!!!!!

やっと、出てきました。

316Lの登場です!!!!!!

そうです。

ブライトリングやパネライ、ゼニス等で使っている

ステンレスが、この316Lなのですね!!!

ちなみに、316Lの含有物質の構成は、

クロムが18%、ニッケルが12%、モリブデンが

2.5%、炭素が0.03%、そして、鉄が67%

となっています。

304に比べて、ニッケル量が多く、炭素が少なく、

鉄の量が少ないのが解りますね。

さて、時間となりましたので、

今日の授業は、ここまでです。(笑)

明日は、この316Lを凌ぐ、

スーパーステンレスの話をしたいと思います。

→時計のステンレス②(904L)について


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